香りとともに、「どう感じて生きたいか」を思い出す一年へ ─ 目標よりも先に、向き合いたいこと

香りとともに、「どう感じて生きたいか」を思い出す一年へ ─ 目標よりも先に、向き合いたいこと

新しい一年のはじまりは、気持ち新たに目標を立てたり、「どんな一年にしたいか」を思い描いたりと、心が高揚する時期です。

「今年こそ、毎日運動する」
「仕事で成果を出す」
「新しいスキルを身につける」

そんなリストを書き出してみたものの、数週間後には、そのノートがどこにあるかさえ忘れてしまっていた。そんな経験はありませんか?

目標を立てることは素晴らしいことです。けれど、達成すべき「やること」ばかりに目を向けていると、本当に大切なものを見失ってしまうことがあります。

では、私たちは本当は何を求めているのでしょうか。

目標の向こう側にあるもの。それは、「何を達成したいか」ではなく、「どう感じたいか」という、感情そのものなのかもしれません。

目標ではなく、感情を追いかける

"When you set a goal, you're not actually chasing that goal—you're chasing a feeling."
— Danielle LaPorte, creator of The Desire Map

「目標を設定するとき、あなたが本当に追いかけているのは、その目標ではない。追いかけているのは、感情なのだ」

この言葉に出会ったとき、何かがストンと腑に落ちました。

ベストセラー作家・スピーカーのDanielle LaPorteは、『The Desire Map(願望の地図)』という著書の中で、「Core Desired Feelings(心から望む感情)」という考え方を提唱しています。

例えば、「年収1000万円を達成する」という目標を立てたとします。でも、その目標の裏側にある本当の望みは何でしょうか?

「自由」を感じたいから?
「安心」を得たいから?
それとも、「豊かさ」を味わいたいから?

目標は、手段にすぎません。私たちが本当に求めているのは、その目標を達成したときに感じるであろう感情なのです。

だからこそ、彼女は問いかけます。

「何を達成したいか」ではなく、「どう感じたいか」を先に決めよう、と。

 

感情を決めることは、生き方の指針になる

私自身も、この問いと一年の初めに向き合い、実践していく中で、はっきりとした変化を二つ、感じるようになりました。

「どう感じて過ごしたいか」を決めることは、日々の選択や行動の指針になっていく、ということです。

何かを選ぶとき、それが正しいかどうか、期待に応えているかどうかよりも先に、「これは、私が大切にしたい感情に近づいているだろうか?」と、自分に問いかけられるようになりました。

そしてもう一つ。感情を先に決めると、その感情を味わうための方法は、実はひとつではないことに気づけるのです。

たとえば、私が「豊かである」という感情を味わいたいと決めたとします。 すると、その感情を得る方法は、月に〇〇万円を稼ぐことだけではない、ということが自然と見えてきます。

もちろん、収入の目標を持つこと自体は、とても健全なことです。けれど、それを達成しなければ、豊かさに触れられないわけではない。
そんな視点が、少しずつ自分の中に根づいていきました。

近所の人が育てた無農薬の果物をいただくこと。
朝、ゆっくりとコーヒーを淹れる時間を持つこと。
大切な人と、何気ない会話を楽しむこと。

お金では手に入らない豊かな瞬間は、日常の中にたくさんあります。

「どう感じていたいか」を先に決めることで、私たちはすでに、その感覚が息づいている瞬間に、日常の中で気づけるようになるのだと思います。

そうすると、不思議なことに、心が軽やかになっていきます。

「この目標を達成しなければ」「これをやらなければ」という執着から、少し自由になれる。
他の方法でその感情を味わえたなら、それで素晴らしい。

そんな風に、柔らかく、しなやかに生きられるようになるのです。

 

香りは、感情と記憶を繋ぐ

こうして、「どう感じて過ごしたいか」を決めたあとは、その感情を、日常の中で思い出し続けることが大切になります。

けれど、それは意志の力だけでは、なかなか難しいもの。そのために、香りという存在が力になってくれます。

ある香りを嗅いだ瞬間、懐かしい記憶が鮮明によみがえってくる。 特定の場所や、大切な人の面影が浮かんでくる。

そんな体験をしたことはありませんか?

これは「プルースト効果」とも呼ばれ、香りが感情や記憶と深く結びついていることを示しています。

その理由は、脳の仕組みにあります。

香りは、鼻から脳へと届く過程で、感情と記憶を担う領域に、直接アクセスします。
目や耳から入る情報が理性のフィルターを通るのに対し、香りはそのプロセスを飛び越えて、感情や記憶に直接届くのです。

だからこそ、香りは、無意識のレベルで私たちの心に働きかけます。

新年の目標が忘れられてしまう理由の一つは、日常の忙しさの中で、その意図が意識から消えてしまうからです。

付箋に書いたリマインダーや、スマートフォンのアラームは、目に見える形で意識を促します。それに対し、香りは静かに、もっと深いところから、あなたが「どう在りたいか」を思い出させてくれます。

もしあなたが「自由を感じていたい」と決めたとして、その感情と結びついた香りを、日々の中で何度も感じていたとしたら。

香りは、こう語りかけます。

―あなたは、自由を感じていたかったよね。

それは、「もっと頑張れ」という声ではありません。「まだ足りない」という指摘でもありません。ただ、本来の自分を思い出すための、やさしい合図です。

 

あなたの「どう感じて生きたいか」を見つける

では、2025年、あなたはどんな気分で過ごしたいですか? 

少し時間をとって、自分に問いかけてみてください。

理想の一日を想像したとき、どんな感情が湧いてきますか?
朝目覚めたとき、どんな気持ちでいたいですか?
一年の終わりに振り返ったとき、どんな在り方をしていた自分を誇らしく思えるでしょうか?

自由を感じていたい。
喜びに満ちていたい。
穏やかでありたい。
自然体でいたい。
情熱的に生きたい。
つながりを感じていたい。
力強く在りたい。
好奇心を大切にしていたい。

正解はありません。 あなたの心が、自然と引き寄せられる言葉を選んでください。

Danielle Laporteは、多すぎず、少なすぎず、3〜5つの「Core Desired Feelings」を選ぶことを勧めています。自分の羅針盤となる感情を、丁寧に選び取ってみてください。

 

香りで、感情を脳にインストールする

あなたの「在りたい感情」が見えてきたら、次はその感情と響きあう香りを選びます。そして、日々の中でその香りを感じる、という習慣をつくります。

たとえば、

「自由」を感じたいなら:広大なオーストラリアの地で、空に向かってのびのびと高く育つユーカリ。胸の奥まで空気が通り抜けるような、視界がひらけていく感覚をもたらしてくれます。

「喜び」を感じていたいなら:
太陽の光をたっぷり浴びて実るオレンジやレモン、グレープフルーツなどの柑橘。自然と口角が上がるような、軽やかで前向きなエネルギーを運んでくれます。

「穏やか」でありたいなら:ラベンダーやサンダルウッドのような、呼吸を深く、ゆっくりと導いてくれる香り。神経の高ぶりを鎮め、自分の中心に戻る時間を思い出させてくれます。

「情熱的」に生きたいなら:カルダモンやクローブといった内側から熱を灯すスパイスや、ローズのような華やかさをもつ香り。自分の衝動や生命力とつながる感覚を呼び覚まします。


香りを嗅ぐたびに、あなたの脳にその感情が刻まれていきます。

「ああ、私は自由を感じていたかったんだ」
「穏やかでいることを、大切にしたかったんだ」

香りは、あなたが自分と約束した感情を、静かに思い出させてくれる存在になります。


新しい年を、好きな香りと共に

一年のはじめに、達成すべき目標のリストで埋め尽くさなくていい。「べき」や「ねばならない」から、少し距離をとってみる。

かわりに、あなたが「どう感じて生きていたいか」。その感情を、大切に育てていく。

香りは、何千年も前から人々と深いところで結びつき、大切なものを思い出すための道しるべであり続けてきました。

揺らぎがあっても、迷いがあっても、あなたが選んだ感情に立ち戻れる。そんな時間に、香りが寄り添います。

あなたは、どんな香りとともに、どんな気分で、この一年を過ごしますか?

 

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